失恋の悲しみを癒すために、新しい恋愛を求めるのはよくあることですよね。どうしても寂しさを埋めたくて、好きでもない人と付き合ってしまったという経験はありませんか?

今回は、失恋後の恋愛にまつわる体験談をご紹介します。

失恋後は要注意!タイプじゃない男性とのお付き合い

当時21歳だった私は、手ひどい失恋をしました。
大好きだった彼に、新しい彼女ができたのです。嘘をつけない正直な彼は、最後まで正直でした。
「○○のことも好きだから迷っていたけど、やっぱり○○じゃダメなんだ」
つまり、二股をかけていた上で私は捨てられたんです。その上、それは一人暮らしを始めたばかりの時です。

彼が地元を離れて就職をするというので、私も専門学校は彼の職場と同県にしました。彼の住まいとは電車で一本ですが、地元からは飛行機を使わなくてはいけない距離です。

まだ学校も始まっておらず友人の一人すらいない見知らぬ地で、私は一人ぼっちになったのです。
借りたばかりの部屋でお酒を買って、一人ぼっちで朝まで泣き、呑みすぎて眠ることを数日繰り返しました。彼とやり直すにはどうしたらいいのだろうと、そのことばかり考えていました。

「もう一度、彼に振り向いてもらおう。やり直すには、新しい女よりもいい女にならなくちゃいけない。」そこにたどり着いたのは、失恋から1週間近くたっていました。

彼に振り向いてもらうために必要な新しい服、メイク、髪型も変えなくちゃと思った私は近所のファミリーレストランでアルバイトを始めたのです。

そこにいたのが、W君でした。

寂しさを紛らわせるための関係

 

W君は25歳の調理師免許をもつフリーターでした。「まだどんな店に腰を落ち着けたいのかわからない」といってフリーターを選択する彼は、いつも楽しそうに働いていました。どの時間帯でも働ける彼はお店にも重宝され、バイトリーダーとして新人教育も任されていました。夜間シフトに入っていた私とW君が一緒に働くのはせいぜい1日1、2時間ですが、公平な態度とミスを責めないにこやかさに、W君が教育係で良かったと思ったものです。

ただ、W君は男性としては全く興味を持てないのです。
女性的とも言えるふくよかな体型、近所の良きパパのようなニコニコ笑顔、話し方、極めつけが、25歳という年齢で就職する気が全くないことです。
つまり、「いい人だけど、付き合うことは絶対にない」男性だったのです。

それでも、一緒に働くにはとてもいい人です。「彼氏いないの?」と聞かれたときに、W君の話しやすさについ手ひどい失恋の話をしてしまったのです。
それから数日後、W君から思ってもいない告白をされました。

「一緒に働いていて、すごくいいコだなと思った。別れた彼氏のことは忘れて、俺と付き合ってほしい」

彼氏とヨリを戻すために買った服もメイク道具も見せたい人には一度も見せられない。「会いたい」と伝えることもできない。私はその時にはもう「彼氏とヨリを戻すのはムリ」とわかっていました。

付き合う事は絶対にないだろうと思っていたW君ですが、「誰かに好かれている」「求められている」その感覚は、彼氏に「いらない」と言われた私が心から欲していたものでした。
その時の私は、彼氏に会えない寂しさを紛らわしてくれるのなら誰でも良かったのです。
「W君を好きになれるのか」「W君と一緒にいてしあわせなのか」、そんなことは考えもせずにOKの返事をだしました。

こうして、ただ自分の寂しさを紛らわせるためのお付き合いが始まったのです。

優しい人だけど、どうしても好きになれない…

 

元々話しやすい人ということもあり、ドライブデートや食べ歩きはとても楽しかったのです。好かれているという安心感から好きなようにふるまえて、私の我儘をニコニコとしながら聞いてくれるW君には日々癒されていました。

ただ、どうしてもキスやそれ以上のことには抵抗がありました。付き合っているのだからしないわけにはいかない。そんな義務感から応じてはいたのですが、男性として好きになれないのに肌を触れ合うのはどうしても嫌悪感が出てきます。一番素になる瞬間の私の嫌悪感は、当然すぐそばのW君にも伝わります。

本当に、優しい人でした。私の態度を元彼への未練だと思ったW君は「時間をかけよう」と言ってくれ、それからはプラトニックな関係が半年近くつづきました。

しかし、その間に私はどんどんW君が嫌いになっていくのです。

元々好みのタイプではなかったせいか、私に気を使う彼の行動が女々しく卑屈に見えてきます。良い人だと思っていた笑顔もだんだん嫌悪の対象になっていき、デートのたびに不機嫌になる私にW君は何とか機嫌を取ろうとし、それにまた苛立つという悪循環です。会うたびに荒れる私に、W君は終始オロオロしていました。

もう、お互いに限界でした。

「やっぱりムリ。別れたい」

そういった私に、W君はホッとしたような顔をしていました。
傷つけるだけ傷つけた私に、最後まで優しかったW君には申し訳ない気持ちでいっぱいです。

 

まとめ

叶わぬ恋を忘れるために別の男性とお付き合いをすることは、よくあることかもしれません。それを全て否定するわけではありませんが、「いい人でも好きになれない人」は存在します。そんな人とのお付き合いでは寂しさはまぎれませんし、お互いに嫌な思いをするだけです。
お付き合いをするときは、その人を好きになれるかどうか良く考えてからにしましょう。

 

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