忘れられない失恋に苦しむ人へ。失恋は苦しいものです。こころにぽっかり穴が開いてしまい、日常生活に支障が出るほど塞ぎこんでしまう人もいるかもしれません。
これから紹介する女性もそのうちの1人でした。しかし、失恋後3年にもおよぶ未練が、とある一言によってキレイさっぱり断ち切ることができたのだそう。そんな女性の体験談をご紹介します。
失恋の傷が癒えない方にとって少しでも気持ちを楽にするアドバイスになることを願います。
5年に及ぶ大恋愛
23歳のとき、結婚するつもりだった人に振られてしまいました。大学で知り合い、19歳のときに告白され、5年間付き合っていました。突然切り出された別れに、はじめは浮気を疑いましたが、問い詰めると「気になる人さえいない。単に君に対しての恋愛感情がなくなった」と言われ、ライバルのいない失恋に涙も出ませんでした。
「時間薬」、時が経てば自然と楽になるという言葉を知りましたが、しばらく忘れることができませんでした。忘れようと思えば思うほど、何度も夢に出てきては、夢の中でデートをしたり、はたまた夢の中でも懲りずに別れを告げられたりと、寝覚めの悪い朝が何度あったかしれません。
友達のなにげない一言
失恋から1年が経ったころ、久しぶりに再会した友達に別れたことを話しました。「街で似ている背中を見かけると、元彼かもしれないと思ってつい目で追ってしまう」と未練たらたらで話した私に、友達は一言、「別れた恋人が運命の人なら、二度と会わないんだって」と。「逃した魚は大きい」という慣用句を最大限大きく解釈するとそういうことになるんでしょうか。失恋から1年が経ってようやく涙が出たのを覚えています。
別れてからというもの、ときどきアプローチしてくれる人が現れましたが、私の中で元彼の存在が大きすぎて全く進展しませんでした。かといって、それまでずっと抱いていた未練がましい感情にも少しずつ変化が現れました。相変わらず毎日「会いたい」と念じている一方で、「運命の人だったんだから、もう会うこともないだろう」と、諦めにも似た、哀しい開き直りが生まれていきます。振られてからもなお一方的に「運命の人」だと思っているあたり、恋は盲目とはよく言ったものです。
失恋から3年、偶然迎えた“運命の日”
そして別れから3年が経ち、私は独り身のまま26歳になりました。そして、大学の友達の結婚式でついに元彼に再会したのです。新郎新婦と元彼も共通の友達だったので、冷静に考えれば「元彼も結婚式に呼ばれているはず」と再会を予感できたはずですが、当日になって驚いたあたり、当時の私の「運命の人だから金輪際会うことはない」という思い込みも相当のモノになっていました。ところが、この思い込みが功を奏します。
会いたいと願い続けていた人が目の前にいる。すらりと背が高く、相変わらずのカッコ良さでした。それでも、姿を見た途端、脳裏をよぎったのは恨み節や失恋時に言えなかった感謝ではなく、自分でも驚くほどなにも思わなかったことを鮮明に覚えています。まるで呪縛が解けたかのように未練が無くなりました。なぜなら、「再会してしまったから」。会えない期間、自分自身の気をそらすために「会うと運命の人じゃなくなってしまう」と念じ続けてしまっていたのかもしれません。披露宴の歓談中に軽く挨拶を交わして、それっきりでした。
「運命の人なら、二度と会わない」
後日、友達にあの言葉の引用元を尋ねると、「雑誌の相談コーナーに載っていた」と言われ、拍子抜けしました。推測するに、「別れた後も顔を合わせる度につらい」といった恋愛相談へのアンサーコメントでしょうか。言葉の根拠はわからないままです。その後、私は知り合いの紹介で、草食系で奥手、しかしながら人一倍誠実な男性と出会いました。出会った2年後に籍を入れ、今となっては自慢の夫です。
忘れられない恋人がいる方へ。ひょんな一言から未練を払拭できた人もいる、と覚えていてもらえたら、今すぐじゃなくてもいつか役に立つ日がくるかもしれません。少しでも気持ちが楽になった方がいてくださったら嬉しいです。
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